世間でのイメージは
大人と子どもでイメージが違う
介護=3K
みなさんは「介護」に対してどのようなイメージを持っているでしょうか。「きつい」「きたない」「きけん」の「3K」をイメージする人も多いかもしれません。では、どのような部分が3Kだと思われているのか、介護職の仕事内容から考えてみましょう。
介護される側の人、つまり要介護者の中には自力で身体を動かすのが難しい人もいます。そのよう場合は介護職が要介護者を抱えて車いすに乗せたり、入浴を介助したりします。腰を痛める姿勢が多いので、「きつい」と感じる人が多いようです。また、入居型の介護施設では24時間体制で介護をするので夜勤もあります。変則的なシフトなので体力的な限界を感じることもあります。
寝たきりの人を介護する場合は介護職が排泄介助やオムツ交換をしなければなりません。そのため、「他人の排泄物を処理する=きたない」というイメージがあるようです。介護職として働いている人の中にも排泄介助やオムツ交換に苦手意識を持ち、仕事だと割り切れない人もいるので、「きたない」というイメージを払拭するのは難しいでしょう。また、免疫力の低い高齢者はインフルエンザやノロウイルスなどの伝染病にかかりやすいのですが、多くの高齢者が一緒に生活している介護施設は他の施設に比べると集団感染になりやすい環境です。通常よりも感染リスクが高いことから「きけん」だとイメージする人もいます。
マイナスな印象を持っているのは大人
介護職に対してどのようなイメージを持っているかを、中学生・高校生・保護者・教員に調査したところ、中学生や高校生は社会的に高く評価している一方で、保護者や教職員は厳しく評価していることがわかりました。特に教員からの評価は非常に低く、介護職の社会的評価はあまり良くないと答えたのは約45.8%と半数近くの教員がネガティブなイメージを持っていました。これは仕事のやりがいよりも、賃金や労働時間に対する不安や精神的・身体的な負担が大きいと感じているからです。そのため、保護者や教職員は社会的に貢献できる仕事であることはわかってはいるものの、子どもたちにはあまりすすめたくないと思っているようです。
前向きなイメージを持っている人もいる
このように、ネガティブなイメージばかり先行している介護職ですが、前向きなイメージを持っている人もいます。高齢者をサポートする介護職の仕事は身体的にも精神的にも厳しいところはありますが、高齢者が生き生きと暮らす喜びを間近で感じることができます。また、「ありがとう」と日々の感謝を伝えてもらうことも多く、やりがいを感じながら働いています。
ヘルパーズ・ハイとは?
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他の仕事にはない幸せがある
する側とされる側の幸せのリンク
介護職員の多くはヘルパーズ・ハイの状態で働いているため、ネガティブなイメージが強い仕事も前向きに取り組むことができています。ヘルパーズ・ハイは幸せを感じるオキシトシンとやる気を引き出すドーパミンが脳内で分泌され、多幸感を感じる状態のことです。
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